katatumuriのブログ

!カタツムリ そろそろ登れ 富士の山

詩.......自由 リベルテ

 
 
私の好きな 詩 です。
 
中学生のとき少女漫画を見ていたとき、この詩に出会いました。
作者は誰だったかな・・・なんていうマンガだったかな?
自分は 詩 とは無縁だし、書けません。 でも何故かこの詩が心に引っかかった。 不思議でした。
自由が利かない不自由な身体になった私にとって感慨深い詩となりました。 今となってはなんだか皮肉ではありますが
 
 
自由 「リベルテ」
 

小学校のノートに
僕の机に、木々に
砂に、雪に

僕は書く 君の名を

読んだすべてページに
白いすべてのページに
石に、血に、紙に、灰に

僕は書く 君の名を

金ぴかの肖像に
戦士の武器に
王様の冠に

僕は書く 君の名を

ジャングルに、砂漠に
獣や鳥の巣に、エニシダ
子供時代の木霊に

僕は書く 君の名を

夜の素晴らしい時に
昼の白いパンに
婚約した季節に

僕は書く 君の名を

僕の青空の切れ端すべてに
カビた太陽の池に
輝く月の湖に

僕は書く 君の名を

野に、地平線に
鳥たちの翼に
さらに影の風車に

僕は書く 君の名を

夜明けの 吹きつける風に
海に 船に
そびえ立つ山に
僕は書く 君の名を

雲たちの泡に
嵐の汗に
降りしきる退屈な雨に

僕は書く 君の名を

きらめく形象に
色とりどりの鐘に
自然の真理に

僕は書く 君の名を

目覚めた小道に
広がった道路に
あふれる広場に

僕は書く 君の名を

ともる灯りに
消える灯りに
集まった僕の家々に
僕は書く 君の名を

 

ふたつに切られた
鏡の中と、僕の部屋の果物に
空っぽの貝殻の僕のベッドに
僕は書く 君の名を

 

食いしん坊で大人しい僕の犬に
その立てた耳に
そのぎこちない前足に
僕は書く 君の名を

 

ぼくの戸口の踏み台に
慣れ親しんだ物に
祝福された炎の波に
僕は書く 君の名を

 

同意した全ての肉体に
友だちの額に
差しのべられた手それぞれに
僕は書く 君の名を

 

驚きのガラスに
沈黙よりはるかに
慎み深い唇に
僕は書く 君の名を

 

破壊されたぼくの隠れ家に
崩れ落ちたぼくの灯台に
ぼくの倦怠の壁に
僕は書く 君の名を

 

希望のない不在に
裸の孤独に
死の歩みに
僕は書く 君の名を

 

よみがえった健康に
消え去った危機に
記憶のない希望に
僕は書く 君の名を

 

そして、ただひとつの言葉の力を借りて
僕はまた人生を始める
僕は生まれた

君を知るために
君を名づけるために
 

自由(リベルテ)と